たん白加水分解物の使用例

漬物、つゆ、たれ、ラーメンスープ、佃煮、かまぼこ、ハンバーグ、カレー、即席麺など、様々な加工食品に使用されています。以下に、農林水産省の日本農林規格(JAS)に定められている品目のうち、しょうゆと漬物を例に詳しくご紹介します。

(1)しょうゆ

アミノ酸液は日本農林規格(JAS)で
しょうゆの原料として認められています

しょうゆの定義

農林水産省「しょうゆの日本農林規格」より抜粋。

1. 本醸造方式

大豆(脱脂加工大豆を含む。以下同じ。)若しくは大豆及び麦、米等の穀類(これに小麦グルテンを加えたものを含む。)を蒸煮その他の方法で処理して、こうじ菌を培養したもの(以下「しょうゆこうじ」という。)又はしょうゆこうじに米を蒸し、若しくは膨化したもの若しくはこれをこうじ菌により糖化したものを加えたものに食塩水又は生揚げを加えたもの(以下「もろみ」という。)を発酵させ、及び熟成させて得られた清澄な液体調味料(製造工程においてセルラーゼ等の酵素(たん白質分解酵素にあっては、しろしょうゆのたん白質を主成分とする物質による混濁を防止する目的で生揚げの加熱処理時に使用されるものに限る。)を補助的に使用したものを含む。以下「本醸造方式によるもの」という。)

2. 混合醸造方式

もろみにアミノ酸液(大豆等の植物性たん白質を酸により処理したものをいう。以下同じ。)、酵素分解調味液(大豆等の植物性たん白質をたん白質分解酵素により処理したものをいう。以下同じ。)又は発酵分解調味液(小麦グルテンを発酵させ、分解したものをいう。以下同じ。)を加えて発酵させ、及び熟成させて得られた清澄な液体調味料(以下「混合醸造方式によるもの」という。)

3. 混合方式

1、2若しくは生揚げ又はこのうち2つ以上を混合したものにアミノ酸液、酵素分解調味液若しくは発酵分解調味液又はこのうち2つ以上を混合したものを加えたもの(以下「混合方式によるもの」という。)

アミノ酸液は、混合醸造方式及び混合方式の際に使用されています。

ちなみに…

九州のしょうゆはとても特徴的で“あまい”“うまい”と言われますが、
この味の決め手はアミノ酸液なのです!
この味は、アミノ酸液なしでは実現されません。

(2)漬物

アミノ酸液は日本農林規格(JAS)で
漬物の原料として認められています

漬物の定義

農産物漬物及び農産物漬物のうち、農産物しょうゆ漬け類であって缶詰及び瓶詰以外のもののみを、農林水産省「農産物漬物の日本農林規格」より抜粋。

1. 農産物漬物

農産物(山菜、きのこ及び樹木の花、葉等を含む。以下同じ。)を塩漬け(塩漬けの前後に行う砂糖類漬けを含む。)し、干し、若しくは湯煮したもの若しくはこれらの処理をしないもの又はこれに水産物(魚介類及び海藻類をいう。以下同じ。)を脱塩、浸漬(せき)、塩漬け等の処理をしたもの若しくはしないものを加えたもの(水産物の使用量が農産物の使用量より少ないものに限る。)を塩、しょうゆ、アミノ酸液(大豆等の植物性たん白質を酸により処理したものをいう。以下同じ。)、食酢、梅酢、ぬか類(米ぬか、ふすま、あわぬか等をいう。以下同じ。)、酒かす(みりんかすを含む。以下同じ。)、みそ、こうじ若しくは赤とうがらし粉を用いたものに漬けたもの(漬けることにより乳酸発酵又は熟成しないものを含む。)又はこれを干したものをいう。

2. 農産物しょうゆ漬け類
  • 1)農産物漬物のうち、しょうゆ又はアミノ酸液に漬けたもの
  • 2)農産物漬物のうち、しょうゆ又はアミノ酸液に砂糖類、みりん、香辛料等を加えたもの又はこれに削りぶし、
    こんぶ等を加えたものに漬けたもの

アミノ酸液を活用することで、より豊かなおいしさが実現されています。

(3)加工食品

加工食品の使用例

たれ類 アミノ酸由来のうま味により、味に厚み・丸みを付けられる事に加え、味浸み・味慣れ効果にも優れています。
つゆ類 うま味やインパクトのある先味を付けられる事に加え、加熱や経時によるつゆ本来の味・風味の減少を抑えられます。
即席めん スープの味にメリハリを付ける事に加え、麺への味付けにより、麺とスープの一体感が向上します。
佃煮 味に厚みを付けることで、カドのないまろやかな味付けが可能です。
パスタソース・カレー、等 素材の風味・呈味を強め、味にメリハリをつけると共に、全体的にコクを付与します。